「ローン組めるうちに買った方がいい」という呪い
28歳のとき、同僚が立て続けに家を買い始めました。
「看護師は安定してるからローン通りやすい」「賃貸は捨て金」「老後に家賃払い続けるの怖くない?」
毎週のように聞こえてくるその言葉に、焦りを感じた。
実際、住宅展示場に行って、3,500万円の物件の仮審査まで通してしまいました。
「月々10万円で夢のマイホーム!」というキャッチフレーズが魅力的で。
でも、サインする前に一度立ち止まった。
「本当に、計算したことあるの?」
賃貸 vs 持ち家、30年で実際に払う総額
私が実際に住んでいる地域(地方中核市)で試算しました。
賃貸シナリオ(月8万円の2LDK)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃(月8万円×12×30年) | 2,880万円 |
| 更新料(2年ごと) | 約120万円 |
| 引越し費用(5回想定) | 約100万円 |
| 総支出 | 約3,100万円 |
持ち家シナリオ(3,500万円の戸建て、35年ローン)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 物件価格 | 3,500万円 |
| 金利(変動0.5%→固定1.5%想定30年) | 約650万円 |
| 固定資産税(年15万円×30年) | 450万円 |
| 修繕費(10・20・30年で各100万) | 300万円 |
| 火災・地震保険(年3万×30年) | 90万円 |
| 総支出 | 約4,990万円 |
差額:約1,890万円。
この数字を見たとき「全然割安じゃないじゃん」と思いました。
でも「単純な損得」じゃない部分
数字を出してから、看護師ならではの条件を整理しました。
持ち家の方が有利な条件
- 長期同じ場所で働く確実性が高い(転勤がない病院勤務)
- 子どもがいる・増える予定で安定した居住空間が必要
- 団体信用生命保険の価値(死亡・高度障害時に残債ゼロ)
賃貸の方が有利な条件
- 転職・転院の可能性がある(地方←→都市の移動を含む)
- 独身・パートナーと合意がまだ
- 夜勤負担が増えたとき、住み替えの選択肢を持ちたい
私が「今は賃貸」と決めた理由
正直に言うと、最大の理由は「キャリアの自由度を守りたい」でした。
30代前半、私はまだ専門看護師の認定取得を目指していて、そのためには別の病院や地域へ異動する可能性があった。
3,500万円のローンを抱えたら、その選択肢が狭まる。
「今の自分に必要なのは、選択肢の確保」という結論で、住宅購入を5年先送りにしました。
「家を買わない」分のお金をどうしたか
賃貸を続ける代わりに、毎月の住居費差額(ローンとの差)をNISAに投資しました。
- 賃貸家賃:月8万円
- ローンだったら:月10万円(元利+修繕費積立)
- 差額2万円を毎月NISA積立へ
これを5年続けると:2万円 × 60ヶ月 × 年利7% ≈ 140万円
「家を買わなかった分」を投資に回して増やす、という考え方です。
看護師が住宅購入を考えるときの判断ポイント
- 今後10年、今の地域で働く確実性は高いか?
- パートナー・家族と住居について合意できているか?
- 夜勤・収入が減っても返済できる月額か?
全てYESなら購入を検討。1つでもNOなら、もう少し賃貸を続けた方が後悔が少ないです。
まとめ
- 賃貸vs持ち家の総支出差は地方でも1,500〜2,000万円程度
- 数字だけでなく「キャリアの自由度」「ライフプラン」で判断する
- 看護師は転職・転院の可能性を考慮すること
- 「買わない」選択をするなら差額を投資に回す