夜勤手当は、看護師だけが持っている「最強の投資原資」
看護師の夜勤手当の相場は、おおよそこのくらいです。
| 勤務形態 | 1回あたりの相場 | 月4〜5回の場合 |
|---|---|---|
| 三交代(準夜勤) | 3,000〜4,000円 | ― |
| 三交代(深夜勤) | 4,000〜6,000円 | ― |
| 二交代(夜勤1回) | 8,000〜12,000円 | 月3.2万〜6万円 |
つまり多くの看護師は、基本給とは別に月2〜4万円の「上乗せ収入」を持っています。
問題は、このお金の性質です。
心理学では「メンタル・アカウンティング(心の会計)」と呼ばれますが、人は「頑張って得た臨時収入っぽいお金」ほど気軽に使ってしまう。夜勤手当はまさにそれで、「疲れたから外食」「頑張ったからご褒美」で、気づけば全額消えているお金の代表です。
でも逆に考えると──もともと「ないもの」として生活できるお金だからこそ、全額投資に回しても生活が痛まない。これが夜勤手当が最強の投資原資である理由です。
前提条件を正直に置きます
シミュレーションの前に、利回りの前提をはっきりさせておきます。
- 全世界株式(オルカン)の過去30年の平均リターンは年5〜7%程度
- S&P500の過去平均は年7〜10%程度(ただし為替と時期でブレる)
- 未来は誰にも分からないので、楽観7%・現実5%・保守3%の3本立てで見ます
「年利7%だけ見せて夢を売る」記事にはしたくないので、全部出します。
月2万円を20年間積み立てたら?
| 年数 | 積立元本 | 年利3% | 年利5% | 年利7% |
|---|---|---|---|---|
| 5年 | 120万円 | 129万円 | 136万円 | 144万円 |
| 10年 | 240万円 | 280万円 | 310万円 | 347万円 |
| 15年 | 360万円 | 454万円 | 535万円 | 632万円 |
| 20年 | 480万円 | 657万円 | 822万円 | 1,050万円 |
現実ラインの年利5%でも、元本480万円が約822万円。プラス342万円です。
保守的な3%ですら177万円増える。銀行預金(年0.1%なら20年で約5万円)とは桁が2つ違います。
積立額を変えたらどうなる?(年利5%)
| 月積立額 | 20年後の元本 | 20年後の資産額 |
|---|---|---|
| 月1万円 | 240万円 | 約411万円 |
| 月2万円 | 480万円 | 約822万円 |
| 月3万円 | 720万円 | 約1,233万円 |
二交代で月4〜5回夜勤に入っている人なら、月3万円ラインが現実的に狙えます。
新NISAを使えば、この利益に税金がかからない
通常、投資の利益には約20%の税金がかかります。月2万円×20年(年利5%)の利益342万円なら、約68万円が税金で消える計算。
新NISAの枠内なら、これがまるごとゼロになります。
- つみたて投資枠:年120万円まで(月10万円まで)
- 夜勤手当レベルの積立なら余裕で枠内
具体的な設定手順(30分で終わります)
- SBI証券か楽天証券で口座開設(スマホ+マイナンバーカードで10分)
- NISA口座を同時申込
- 投資信託は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」か「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のどちらか1本でOK
- 積立設定:毎月の積立日を給料日の翌日に設定
- クレカ積立にすればポイントも貯まる
一度設定したら、あとは何もしないのが正解です。
「夜勤1回」を複利で換算すると
二交代の夜勤手当1回8,000円を投資に回すと、年利5%・20年後には約2.1万円になります。
夜勤1回 = 20年後の2万円
私はこれを知ってから、しんどい夜勤の見え方が少し変わりました。「今夜の夜勤は、未来の自分への2万円の仕送り」。そう思えば、ナースステーションの深夜3時も少しだけ頑張れます。
注意点も正直に書きます
- 元本割れの期間は普通にあります。 私も一時マイナス15万円を経験しました。15年以上の長期なら過去データではプラス圏に収束していますが、5年以内に使うお金を入れてはいけません
- 生活防衛資金が先。 生活費6ヶ月分の現金を確保してから始めてください
- 利回りは保証ではありません。「増えなくても困らないお金」でやるのが大原則です
よくある質問
Q. 全額投資はさすがに怖いです
A. 半分でOKです。月1万円でも20年で約411万円(年利5%)。まず「夜勤手当の50%」から始めて、慣れたら増やすのがおすすめ。
Q. 夜勤を減らしたくなったら?
A. 積立額はいつでも変更できます。実際私は夜勤を週1回減らしたとき、積立を月1万円に下げました。「積立額を柔軟に変えていい」と知っているだけで気が楽になります。
Q. 今からだと遅くないですか?
A. 20年後のあなたから見れば、今日が一番若い日です。50代から始めても15年運用できます。
今日からできる1アクション
直近の給与明細を開いて、夜勤手当の金額を確認する。
その金額の半分を、来月からの積立額として仮決めしてみてください。数字が決まれば、あとは口座を開くだけです。
まとめ
- 夜勤手当は「なくても生活が回る」からこそ最強の投資原資
- 月2万円×20年=年利5%で約822万円、7%なら約1,050万円
- 新NISAなら利益への税金(約68万円分)がゼロ
- ただし生活防衛資金が先、元本割れ期間も覚悟する
- まずは「夜勤手当の半分」から
夜勤明けの疲れた身体は戻ってきませんが、夜勤手当は複利で増えて戻ってきます。どうせ頑張るなら、未来に残る形で。