「看護師に大卒って、結局いる?」への私の答え
先に結論を言います。
免許を持って働いている看護師にとって、大卒は「必須ではない」。でも「無駄」でもない。
歯切れが悪いですよね。でもこれが、専門卒で働きながら通信制大学+学位授与機構で「学士(看護学)」を取得した私の、4年経った今の正直な感覚です。
この記事は「大卒を取るな」という記事ではありません。取る前の自分に、コスパと感情の両方を数字で見せてあげたかった、という記事です。
まず私が実際にやったこと・かかったもの
私は専門学校卒で看護師になり、数年働いたあと「大卒の学位が欲しい」と思い立ちました。ルートは、通信制大学で単位を積み、独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構の試験を受けて学士号を取る、という方法です。
かかったコストを正直に開示します。
| 項目 | 実際にかかったもの |
|---|---|
| 学費(通信制・単位分) | 約40万円 ※大学・履修で変動 |
| 期間 | 実質1年(働きながら) |
| 時間・エネルギー | 夜勤明けのレポート、週末の勉強 |
| 得たもの | 学士(看護学)の学位 |
金額は選ぶ大学や履修する単位数で大きく変わります(20万円台〜60万円台まで幅があります)。私のケースは約40万円でした。
コスパで考える:その40万円をオルカンに回していたら?
ここからが、投資ブログである当ブログらしい視点です。
もし私が大学の学費40万円を、代わりに全世界株式(オルカン)に一括投資して、そのまま置いておいたら——という「if」を計算してみました。
| 経過年数 | 年利3% | 年利5% | 年利7% |
|---|---|---|---|
| 5年 | 約46万円 | 約51万円 | 約56万円 |
| 10年 | 約54万円 | 約65万円 | 約79万円 |
| 20年 | 約72万円 | 約106万円 | 約155万円 |
現実ライン(年利5%)で、40万円は20年後に約106万円。プラス66万円です。
さらに見落としがちなのが「1年間の時間とエネルギー」。夜勤明けにレポートを書いていたあの時間を、副業や休息や別のスキルに使えていたら?——この機会費用は表には出ませんが、確実に存在します。
純粋な資産形成の観点だけで言えば、「40万円+1年」は投資に回したほうが、リターンは大きかった可能性が高い。 これは認めざるを得ません。
(この複利の効き方をもっと見たい人は月3万円積立を20年続けたシミュレーションやオルカン vs S&P500の比較もどうぞ。)
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ただし「大卒が得」になるケースもある(正直な反論)
ここで終わると偏った記事になるので、逆の視点も数字で置きます。
大卒で収入が上がるなら、投資より大卒が勝ちます。 具体的にはこんなケースです。
- 大卒で基本給が上がる病院:初任給や基本給に学歴差がある職場だと、月5,000〜15,000円の差が生涯続く。20年で100万〜300万円級の差になり、投資リターンを軽く超えます
- 管理職・師長の昇進要件に「大卒」がある:役職手当は大きい。要件を満たすための40万円なら回収は速い
- 保健師・助産師・大学院に進みたい:大卒(学士)が受験・進学の前提になるルートがある
- 将来、教員や研究職を視野に入れている:ここは学位が実質必須
つまり判断基準はシンプルで、「その大卒が、あなたの収入やキャリアの扉を実際に開けるか」。開けるなら投資以上のリターン。開けないなら、資産面では投資に軍配、というだけの話です。資格全般のこの考え方は資格取得を投資として計算した記事にも書きました。
感情で考える:それでも私は後悔していない
ここまで散々「コスパでは投資が勝つ」と書いておいて、ちゃぶ台を返すようですが——
私は、大卒を取ったこと自体は後悔していません。
理由は、お金に換算できない部分にあります。
- 「専門卒だから」という長年の小さなコンプレックスが消えた
- 統計や研究の読み方を学び、根拠のあるケアを考える視点がついた
- 「働きながら1年やり切った」という自己効力感が、その後の副業や投資の挑戦につながった
正直、3つ目が一番大きい。「やればできる」を一度自分に証明した経験は、その後のあらゆる挑戦のハードルを下げてくれました。このブログを始めたのも、その延長線上にあります。
お金の価値と、感情の価値。この2つは別の通貨です。片方(コスパ)だけで測ると、もう片方(納得感・自信)を見落とす。 私が伝えたいのはここです。
じゃあ、取る前の自分に何を言うか
タイムマシンがあったら、大卒を取る前の私にこう言います。
- 「収入が上がる根拠」があるか先に確認しろ(病院の賃金規程・昇進要件を読め)
- 上がらないなら、それは"資産形成"ではなく"自己満足への投資"だと自覚してやれ(それでも価値はある)
- 40万円を投資に回す選択肢も、天秤に乗せてから決めろ
- どうせやるなら、学ぶ効率にはお金をかけろ(時間が一番高い)
4つ目は補足します。学位取得でも資格でも、独学でダラダラやって1年が2年になるのが一番もったいない。要点がまとまった教材で最短で終わらせるほうが、時間という最大のコストを節約できます。医療系の学びなら、対策教材をうまく使うのが結局は安上がりです。
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よくある質問
Q. これから看護師を目指すなら、大学と専門どっち?
A. この記事は「すでに免許を持つ人が"追加で"大卒を取るか」の話です。これから目指すなら、大学は保健師・助産師・進学の選択肢が広く、時間に余裕があるなら大学を推します。判断軸が違うので混同しないでください。
Q. 通信制大学+学位授与機構ルートは大変でしたか?
A. 正直、夜勤との両立はきつかったです。でも1年で区切りがつくと決めていたので走り切れました。だらだら3年かけるルートだと挫折率が上がると思います。
Q. 大卒を取っても給料が変わりませんでした
A. 私もほぼ変わりませんでした(笑)。だからこそこの記事を書いています。収入が変わらないなら、それは「感情への投資」。納得してやったなら成功、なんとなくやって後悔しているなら、次は投資に回しましょう。
今日からできる1アクション
自分の病院の賃金規程で「学歴による差」を確認する。 差があるなら大卒はコスパの良い投資、差がないなら「40万円をオルカンに回す」選択肢と正面から比べてみてください。どちらを選んでも、数字を見てから決めた選択に後悔は残りません。
まとめ
- 免許を持つ看護師にとって、大卒は「必須ではないが無駄でもない」
- 純粋なコスパでは、40万円+1年は投資に回したほうがリターンは大きい可能性が高い(年利5%・20年で約106万円)
- ただし収入・昇進・進学の扉を開けるなら、大卒が投資を上回る
- お金の価値と感情の価値は別通貨。納得感・自信はコスパでは測れない
- 取るなら「収入が上がる根拠」を先に確認し、学ぶ効率にはお金をかける
大卒を取るのも、そのお金を投資に回すのも、どちらも正解になり得ます。大事なのは、両方を天秤に乗せてから、自分で選ぶこと。この記事が、あなたの天秤のひとつの重りになれば嬉しいです。
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